バーの集客方法|客層と空気で選ばれる状態をどうつくるか
バーの集客方法としてSNSやクーポンを回しても客が定着しないのは、何を飲む店かで競っているからです。2軒目に選ばれる店の条件と、客層と空気から決める手順を、直営バー3店舗の経験から整理します。
酒の品揃えは悪くない。内装にも金をかけた。SNSも動かしている。それでも、席が埋まる日と空く日の差が大きい。
バーは、来る理由が「渇き」ではなく「気分」で決まる業態です。だから集客の打ち手も、他の飲食店とは少しずれます。この記事は、1〜3店舗のバーを経営しているオーナーや店長に向けて、集客の方法を並べる前に何から決めるのかを整理します。
バーの集客方法が効かなくなるのは、機能で選ばれる店になっているから
集客の相談で最初に出てくるのは、たいてい方法の話です。グルメサイトに載せる、Instagramを増やす、LINEで配信する、ハッピーアワーをやる。どれも効果はあります。ただ、同じ手段を近隣の店も使っています。
手段が行き渡ると、差がつくのは中身だけになります。そして中身を「何を置いているか」で語ると、バーはすぐ横並びになります。珍しいウイスキーも、きれいなカクテルも、話題のシーシャも、少し待てば近くの店にも並びます。
機能で競っている店は、最後に価格と立地で比べられます。そこは体力の勝負です。
酒場・ビヤホールの倒産は3年連続で200件超。消耗戦の土俵は選ばない
帝国データバンクの調査では、2025年の飲食店経営事業者の倒産は900件で過去最多を更新しました。業態別の内訳では、居酒屋を主体とする「酒場・ビヤホール」が204件で最も多く、前年(212件)から3.8%・8件減ったものの、2023年以降3年連続で200件を超える高い水準が続いています(帝国データバンク「飲食店」の倒産動向(2025年))。
同調査は、食材費や光熱費の高騰、賃上げに加えて、同業との競合が激化していることを背景として挙げています。値上げに踏み切れない小規模な店を中心に件数が積み上がっている、という見立てです。
読み替えると、こうなります。酒を出す業態は、いま最も横並びになりやすい。 その土俵で価格と立地を競うと、原価と家賃の差がそのまま結果になります。
2軒目に選ばれる店は、「何を飲むか」ではなく「誰と、どんな空気で」で決まっている
バーが選ばれる場面を思い出すと、客は飲み物を探していません。一次会のあと、どこへ移動するかを決めています。
そのとき頭にあるのは、誰と一緒にいるか、どんな話をしたいか、どのくらいの時間いたいか、静かな場所か賑やかな場所か、です。商品ではなく、過ごし方で選ばれているということです。
ここが決まっていない店は、客にとって「とりあえずの店」になります。とりあえずの店は、近くに新しい店ができた日に外れます。
逆に、過ごし方がはっきりしている店は、その気分のときに名前で思い出されます。 思い出される店は、検索されて来る店より強い。広告を止めても客が消えません。
決めるのは、次の三つです。
- 誰と来る店か(一人か、二人か、連れが多いか)
- どんな時間を過ごす店か(会話を深めるのか、気分を上げるのか、黙って飲むのか)
- どのくらいいる店か(一杯で出る店か、腰を据える店か)
この三つが決まると、席の配置、音量、照明、グラスの選び方、スタッフの話しかけ方まで、判断が自動的に決まります。
店舗ごとに別のコンセプトを置く。直営バー3店舗でやったこと
GIFTは、渋谷・西麻布・広尾でバーを直営しています。機能では同質化しやすい市場だったので、3店舗に同じブランドを横展開せず、店舗ごとに独立したコンセプトを置きました。
同じ会社の店でも、過ごし方は別です。フロアと個室を分け、店ごとに想定する客層も変えています。結果として、3店舗で年商約2億円に達しました。
同じ看板を増やすより、気分の種類ごとに店を分けたほうが、客は使い分けてくれるという判断です。1店舗しかない場合でも考え方は同じで、自分の店がどの気分を取るのかを一つに絞ることになります。
絞ると客が減るように見えますが、実際には逆です。何でもできる店は、どの気分でも二番目に思い出されます。
同じ発想を店の中と外に通す話は飲食店のブランディングとは何かで、足すのではなく引く話として飲食店の差別化の方法で整理しています。
SNSでバーの集客をするなら、投稿を増やす前に決めること
バーはSNSと相性のいい業態です。暗がりの照明、グラス、煙、音。写真と動画で雰囲気が伝わります。
ただ、伝える中身が決まっていない状態で投稿を増やすと、何の店か分からないアカウントになります。 きれいなカクテルの写真が並んでいるだけでは、見た人は自分が行く理由を見つけられません。
投稿で見せるべきは商品ではなく、その店で過ごしている時間です。誰と来ていて、どんな距離感で、どのくらいの明るさなのか。それが伝わると、同じ気分の人が自分の来店を想像できます。
運用の中身をどう決めるかは飲食店のインスタ集客で詳しく書きました。撮影や動画制作まで含めて外に出す場合は、Web・SNS・映像をまとめてお受けする形にしています。
依頼先の型で、バーの集客の打ち手はどう変わるか
外に相談する場合、相手の型で返ってくる答えが変わります。優劣ではなく、担当する範囲が違います。
| 依頼先の型 | バーの集客に対してやること | 届かないところ |
|---|---|---|
| グルメサイト・予約媒体 | 検索して探している人に露出させる | 気分で選ばれる店かどうかの設計 |
| SNS運用の代行会社 | 投稿と広告で接触回数を増やす | 何の時間を売る店かの決定 |
| 内装・設計の会社 | 空間と什器をつくる | 開店後の運用と、客層の決め方 |
| ブランドから入る会社 | 過ごし方を決め、空間・接客・発信を揃える | 短期で客数を埋める施策 |
どれも必要になる場面があります。ただ、「何の時間を売る店か」を決める仕事は、どの型にも含まれていません。 内装は内装、発信は代理店、接客は店長に分かれていると、それぞれが正しく仕事をしても、客から見た店の輪郭はぼやけます。
そして輪郭は、分けて発注すると決まりません。判断は結局オーナーに戻ってきます。
GIFTが、バーのご相談で最初に見ること
私たちは、焼肉屋からカフェバー業態まで、飲食店などを自分たちでも直営しています。バーについては、自分たちで3店舗を立ち上げて運営してきました。 だから「投稿頻度を上げましょう」で終わる提案は出てきません。深夜営業の現場が何を抱えているかを知っています。
ご相談では、集客の手段より先に次を見ます。
- 実際に来ている客は、どんな気分のときに来ているか(店の想定とずれていることがよくあります)
- その気分に対して、音量・照明・席の配置・接客の距離感が揃っているか
- 揃っていないなら、空間・接客・発信のどれを先に直すか
そのうえで、コンセプトから空間・接客・発信までを同じ方向に設計します。立ち上げからその後の運用まで続けるのは、ブランドパートナーとして一貫してお受けする形にしているからです。
手段は回しているのに客が定着しない、という状態でしたら、打ち手ではなく「何の時間を売る店か」から見直す段階かもしれません。 発注が前提でなくて構いません。ご相談は無料です。
まずは、いまの状況を
聞かせてください。
課題が固まっていない段階でも構いません。
これから開業される場合も、すでにお店がある場合も。
ご相談は無料です。