店舗ブランディングの事例|業態別に、何を変えて何が変わったか
店舗ブランディングの事例を、飲食店・サウナ・宿泊施設・チェーンの業態別に整理しました。それぞれ何が課題で、どこを変えて何が起きたのか。6つの事例に共通する構造まで含めて、自社の実例から解説します。
ブランディングの事例を探すと、有名企業の大型リブランディングか、ロゴの刷新前後を並べた記事が多く出てきます。規模も予算も違いすぎて、自分の店に置き換えられないというのが正直なところではないでしょうか。
ここでは、GIFTが実際に関わった店舗・施設の事例を業態別に整理します。何が課題で、どこを変えて、何が起きたかを、規模の近い話として書きます。
なお、クライアント案件については施設名を伏せ、業態と地域にとどめています。 実績の詳細はWORKSに掲載していますが、記事では控えます。
店舗ブランディングの事例は、業態より「課題の型」で読む
先に整理しておくと、事例を業態で分類しても応用は効きません。業態が違っても、課題の型は共通しているためです。
| 課題の型 | 症状 | 変えるところ |
|---|---|---|
| 伝わっていない | 質は高いのに、まだ来ていない人に届かない | 何の場所として発信するかの定義 |
| 使われ方がずれている | 来ているが、想定と違う使われ方で単価が伸びない | 体験の設計(滞在時間・提供速度・空間) |
| 同質化している | 競合と同じことを言っていて、選ぶ理由がない | 定義の絞り込み。やらないことを決める |
| 分断している | 店内と発信で、言っていることが違う | 中と外を繋ぐ役割を置く |
以下の事例も、この型のどれかに当てはまります。
直営の焼肉店:機能ではなく、関係で選ばれる状態にする
GIFTが直営する西麻布の焼肉店では、リピート率が90%を超えています。
大事なのは、店の形ではありません。一度来た人との関係を、次の来店まで繋ぐ設計です。誰に来てほしいかを絞ったうえで、席の構成も、接客の距離感も、予約の受け方もその一点に合わせています。
焼肉という業態は、味と価格で比較されやすい領域です。 そこで比較の土俵に乗らないためには、料理の質とは別の軸で選ばれる必要がありました。
バー3店舗:同質化しやすい市場で、店ごとに定義を分ける
同じく直営のバー業態は、渋谷・西麻布・広尾で3店舗を展開し、3店舗で年商約2億円に達しています。
バーは、機能面では同質化しやすい業態です。酒の種類も、内装の傾向も、価格帯も似通います。そこで店舗ごとにコンセプトを定義し直し、同じブランドの中で役割を分けました。
3店舗が同じ設計だったら、近接する商圏で客を食い合います。分けることで、それぞれが別の場面で選ばれるようになります。
カフェバー業態:広告を使わず、口コミで席が埋まる状態をつくる
渋谷の直営店では、広告に頼らず、SNSと口コミだけで席が埋まる状態をつくりました。
やったことは、特別な運用テクニックではありません。何の場所なのかを決めて、店内の体験と発信を揃えただけです。
発信と体験が揃っている店では、来店した人が写真を撮り、人に話します。体験そのものが宣伝になるので、広告費をかけ続けなくても回り始めます。逆にずれていると、発信を強めるほど期待外れが増えます。
この構造は飲食店のインスタ集客の記事で詳しく扱っています。
新潟県のサウナ施設:機能的価値から、体験の意味づけへ
ここからはクライアント案件です。施設名は伏せます。
新潟県のサウナ施設では、当初高温のサウナと天然の井戸水という機能的価値を前面に打ち出していました。事実として質が高く、嘘のない訴求です。
しかしこの伝え方では、すでにサウナを探している顕在層にしか届きません。 温度や水質で検索する人は、もともと詳しい人だけだからです。
そこでブランドコンセプトを刷新し、その場所で過ごす時間そのものを定義し直しました。あわせてクリエイティブを作り替え、広告も運用し直しています。結果として潜在層まで届くようになり、広告の獲得コストを大幅に削減できました。設備は何も変えていません。
詳しい構造はサウナのブランディングの記事で扱っています。
新潟県のオーベルジュ:価値はあるのに、伝わっていなかった
同じく新潟県の1日1組限定のオーベルジュは、地域の食・文化・技術を国内外へ発信する地域活性化プロジェクトの一環として立ち上がった施設でした。
価値そのものは十分にありました。 課題は、それを伝えきる発信と運用が追いついていないことです。宿泊の目的を明確に定義し直し、WebとSNSを刷新、OTAの運用やマーケティング支援までを一体で担いました。
結果として、著名な国際建築アワードに選出され、海外のホテルガイドにも日本から選ばれるなど、ブランドとしての評価が積み上がりました。建物も料理も、もともとそこにあったものです。 変えたのは、何の場所として伝えるかでした。
餃子業態のチェーン:多店舗で、ブランドを保ちながら広げる
多店舗展開するチェーンでは、また別の課題が出ます。店舗が増えるほど、ブランドの基準がばらつくことです。
このクライアントでは、公式アプリが40万ダウンロードを超える規模まで来ています。ここまでの規模になると、個店の魅力を発信するだけでは足りず、チェーン全体で何を約束するのかを決め、それを各店舗で運用できる形にする必要があります。
個店と多店舗では、ブランディングの実務がまったく違います。数百店舗の手法は数店舗では回らず、逆もまた同じです。
事例に共通していること
6つの事例に共通するのは、設備や商品を大きく変えていないことです。
- サウナ施設は設備を変えていない
- オーベルジュは建物も料理も元からあった
- 直営店も、料理そのものを作り変えたわけではない
変えたのは、何の場所として定義し、どう伝えるかです。そしてその定義に沿って、店内の体験と外への発信を揃えました。
逆に言えば、設備投資をしなくても変えられる余地が残っている店は多いということです。この考え方の全体像は飲食店のブランディングとは何かで整理しています。
GIFTが事例をつくるときの立ち位置
私たちは、焼肉屋からカフェバー業態まで、飲食店などを自分たちでも直営しています。上の事例の半分は、自分たちの店です。 自分の売上を賭けて試し、機能した方法だけをお渡ししています。だから「きれいだけど現場で回らない提案」は出てきません。
担う範囲は、コンセプトの定義から、店内の体験設計、Web・SNS・撮影・PRまで。立ち上げからその後の運用まで、PRODUCEとして一貫してお受けしています。
自分の店がどの課題の型に当てはまるかを切り分けるところからお手伝いできます。ご相談は無料です。
まずは、いまの状況を
聞かせてください。
課題が固まっていない段階でも構いません。
これから開業される場合も、すでにお店がある場合も。
ご相談は無料です。