飲食店のマーケティングは外注と採用のどちらか。三つ目の形から考える
飲食店のマーケティングを外注すべきか、人を採用すべきか。二択で考えると決まらないのは、買っているものが違うからです。判断の分かれ目と、社内の担当として外部チームを置く三つ目の形を整理します。
代行会社に頼んでみたが続かなかった。かといって人を採る予算も、育てる時間もない。この記事は、飲食店や店舗を複数運営していて、集客の体制から考え直そうとしている方に向けて書いています。
結論を先に書きます。飲食店のマーケティングを外注と採用の二択で考えると決まりません。買っているものが違うからです。 外注で買うのは作業と専門性、採用で買うのは判断の蓄積です。どちらが足りていないかで、選ぶものが変わります。
飲食店のマーケティングを外注するか、採用するか
多くの場合、検討はこの二択で始まります。そして止まります。金額を並べても決め手にならないからです。
分かれ目は金額ではなく、いま何が足りていないかです。
- 打ち手は決まっている。手が足りない … 外注が合います
- 何をやるかが決まらない … 外注しても単発で終わります
- 判断を社内に残したい … 採用か、三つ目の形になります
「代行会社に頼んだが成果が出なかった」という話の多くは、2番目の状態で1番目の買い方をしたときに起きています。会社の力量の問題ではなく、買うものを間違えたということです。
なぜ、外注しても打ち手が続かないのか
外注の契約は、ふつう作業の単位で切られます。投稿を月8本、広告の運用、サイトの更新。切り出せる形にするために、判断は依頼側に残ります。
ここで、社内に判断する人がいないと何が起きるか。
- 毎月の投稿は出るが、何を伝えたいかが月ごとに変わる
- 広告は回るが、来た人が店で何を感じるかまでは誰も見ていない
- 施策ごとに別の会社が入り、言っていることが店頭とSNSで食い違う
- 担当者が代わると、積み上げた前提の説明をやり直すことになる
作業は進んでいるのに、店が選ばれる理由は強くなりません。 これが「やめたら元に戻る」の正体です。
採用で解決する場合と、しない場合
社内に人を置けば判断は残ります。問題は、店舗のマーケティングの範囲が広いことです。
撮影、発信、予約導線、店頭の見え方、口コミへの対応、メニューの出し方、スタッフへの共有。これを1人で担える人は多くありません。結果として求人票が全部入りになり、市場に存在しない人を定義してしまうことが起きます。
採用が合うのは、次のような場合です。
- 店舗数が増えていき、継続的に判断する量が多い
- すでに型があり、それを回して改善する役割として定義できる
- 入った人が孤立しないよう、制作や撮影を頼める相手が別にいる
逆に、型そのものを作る段階で1人目を採るのは無理があります。 作る人と回す人は、必要な能力が違います。
三つ目の形は、社内の担当として外部のチームが入ること
GIFTではこれを STORE PM と呼んでいます。名前よりも、何が外注と違うかのほうが大事です。
| 見る軸 | 外注する | 採用する | 社内に外部チーム |
|---|---|---|---|
| 買うもの | 作業 | 判断 | 判断と実行 |
| 何をやるか | 依頼側が決める | 社内で決める | 一緒に決める |
| 範囲 | 契約した分 | 任せた分 | 横断する |
| 立ち上がり | 速い | 遅い | 速い |
| 残るもの | 成果物 | 人と経験 | 型と判断の記録 |
外注との違いは「何をやるかを決めるところから入る」こと、採用との違いは「採らずに始められる」ことです。
やることは、コンセプトを定める・戦略を定める・企画と制作を推進する・全体を管理する、の4つです。マーケティング担当を雇う代わりに、店舗専門のチームを外に持つ形になります。
具体的に、何が変わるのか
体制の話で終わらせても現場は動きません。触る場所で言います。
- 発信 … 月の投稿本数ではなく、何を言う月かを先に決める。店舗のInstagram制作・運用も同じ判断の下で動かす
- 店頭 … 外からメニューと価格帯が見えるか。入りにくさが残っていないか
- 予約導線 … 検索から予約までに何回タップが要るか。電話が繋がらない時間帯がないか
- Google Maps … 写真の1枚目、営業時間、口コミへの返信の文体
- メニュー … 来店の理由になっている一品が、発信と店頭で一致しているか
- スタッフ … 何を薦めるかが共有されているか。本部で決めたことが現場の言葉になっているか
ばらばらに発注すると、この一覧が会社ごとに分かれます。 分かれた瞬間に、繋ぐ仕事が経営者に戻ってきます。
GIFTがこの形を取る理由
発注先には型があり、主になりやすいことが違います。飲食コンサルは原価とオペレーションの改善、マーケティング会社は広告やSNSなど外向きの施策、制作会社はロゴやWebといった制作物。どれも必要な仕事です。
ただ、外だけを整えても中の体験が追いつかなければ客は戻らず、中だけを磨いても知られなければ最初の一人が来ません。 続かない打ち手は、たいていこの間で止まっています。
GIFTは自社で飲食店を直営しています。 都内で3店舗を展開するBarブランドを含む直営6店舗をプロデュースしています。発信して、人が来て、現場が回らなくなり、直す。この一周を自分たちの店で毎日やっています。だから「現場にひと手間増やす提案」をしません。
費用の考え方は飲食店のブランディング費用に、発信が集客に繋がらない場合の見直し方は飲食店のインスタ集客に書いています。
どのような店に向いているか
向いているのは、次のような状態です。
- 複数店舗を運営していて、判断する量が増えてきた
- 代行を使ったが、やめると戻る状態を繰り返している
- 担当者を置きたいが、採用まで待てない
- 発信・店頭・予約・口コミが、別々の相手に分かれている
向いていない場合もあります。 1店舗で、オーナー自身が現場に立ちながら判断できている状態なら、必要なのは体制ではなく個別の制作です。その場合はSTORE PMではなく、Webや発信を単発で頼むほうが合います。
また、やることが既に決まっていて回すだけなら、作業を切り出して外注するのが最も安く済みます。三つ目の形が常に正しいわけではありません。
相談する場合、どう進むか
最初にやるのは、足りていないのが手なのか判断なのかの切り分けです。続かなかった打ち手を一つずつ見れば、どこで切れていたかは出てきます。
そのうえで、体制として入る形ならSTORE PM、作る対象が決まっているなら制作から。どちらも、はじめは現状をうかがうところからです。
よくある質問
- 飲食店のマーケティングは、外注と採用のどちらが得ですか?
- 金額だけでは決まりません。外注で買っているのは作業と専門性、採用で買っているのは判断の蓄積です。打ち手が決まっていて回したいだけなら外注、何をやるかから決める必要があるなら社内に判断が残る形を選んでください。どちらが安いかは、その店が今どちらを必要としているかで変わります。
- 代行会社に頼んでも成果が出なかったのはなぜですか?
- 多くの場合、依頼した範囲が「作業」で止まっているからです。投稿や広告の運用を任せても、何を伝えるかを決める人が社内にいなければ、打ち手は毎回単発になります。成果が出ない原因は会社の力量よりも、判断の持ち主が決まっていないことにあります。
- 人を採用すれば解決しますか?
- 解決する場合もありますが、時間がかかります。店舗のマーケティングは、撮影・発信・予約導線・店頭・口コミまで範囲が広く、ひとりで全部を担える人は多くありません。求人票が全部入りになって決まらない、という状態に陥りやすいのがこの職種です。
- 三つ目の形とは何ですか?
- 社内の担当として外部のチームが入る形です。GIFTではこれを STORE PM と呼んでいます。外注のように作業を切り出すのではなく、何をやるかを決めるところから入り、制作や運用も横断して進めます。採用せずに、判断が社内に残る状態をつくる選び方です。
まずは、いまの状況を
聞かせてください。
課題が固まっていない段階でも構いません。
これから開業される場合も、すでにお店がある場合も。
ご相談は無料です。